飼い主になる前にしておきたい覚悟

空前のペットブームと言われている現代ですが、残念なことにペットを飼い始めたものの短期間で手放してしまうような飼い主さんも少なからず見られます。

ただそうした「飼ってみたけど手放さなくてはいけなくなった」という人の話を聞いてみると、必ずしも自分勝手な理由でそうしているというわけではないことがわかります。

例えば「引っ越しをしなくてはいけなくなり、転居先ではペットNGになっている」という時や、「自分も高齢になってきたので充分に世話をすることができない」「子供ができたのでアレルギー対策のため出産前に手放したい」というような場合です。

確かにそうした事情はあらかじめ予測ができないことかもしれませんが、それでも厳しく言えばやはり「飼い主になるための覚悟が足りなかった」という甘さがどこかにあるようです。

例えば引っ越しや出産といったライフスタイルの変化ですが、それは本当に全く予想ができなかったことでしょうか?

仕事で転勤の可能性がある人や結婚をしている人なら数年後に訪れる状況は予想ができることです。

高齢化によって世話ができないということも、ペットも自分もある日突然年をとるわけではないのですからいつかはそういう日がくるということはまったく予定外のことではありません。

「その時になったら手放せばいいや」という気持ちがどこかにあるうちは、残念ですがペットを飼う資格がないと言えます。

ペットを飼うということはその動物を絶対に自分が最後まで看取るのだという強い覚悟を持ってもらいたいものです。

ペットロスという覚悟も必要

ペットを最後まで看取る覚悟というのは、同時にペットロスへの覚悟にもなります。

自分の事情で手放すという選択は、裏返して見るとそのペットの死を自分で感じなくてもよいということにもなります。

数年前より聞かれるようになった言葉に「ペットロス症候群」というものがありますが、これはそれまでかわいがっていたペットと死別してしまうことにより、心に大きなダメージを受けて心身に病気症状が出てしまうというものです。

実際にペットの死に直面してみるとそれまで想像してきた以上に衝撃を受けてしまうという人も多いようで、病気で通院中のときには比較的サバサバとした態度をしていた飼い主さんががっくりと精気を失ったようになってしまうということもよくあります。

ペット犬の寿命がどんどん伸びてきているということはそれだけ一緒に過ごす時間も長くなってきているということなので、それまで当たり前に隣にいた存在がいなくなるということは心に大きな穴を作ってしまうことにもなります。

全くそうしたショックを受けないようにするということは不可能ですが、高齢化したシニア犬がペットとなっているということはいつかはその瞬間が来るということでもあるため、きちんと事前に覚悟を決めておくことが重要です。

ペットロスにならないために

ペットロス症候群になってしまうと、抑うつ症のような精神状態になり何事をするにも意欲が湧かなくなったり、外出をしたくなくなり引きこもったままになってしまうようなことが起こります。

そうしたペットロス症候群になりやすい人というのは、言うまでもなくそれだけ多くペットのことを愛していた人です。

まるで我が子のようにたくさんの世話をしていたり、一日中ずっと一緒に居続けていたというような人なら、突然にそのぬくもりが消えてしまうというのは大きなショックになることでしょう。

そこで現在ではあらかじめペットロスになる可能性が高い人に対し、カウンセリングをしたり動物病院の方で心構えを教えたりというような活動を行っています。

もし自分一人でうまく覚悟をすることができそうにないという人は、そうした団体などを紹介してもらい事前に話を聞いてもらいにいくというのもよいかと思います。